自動運転バス

自動運転バスの課題、バス停にぴたり横付け停車する「正着制御」に挑む

ソフトバンクのグループ会社であるSBドライブと、東京大学発のベンチャーである先進モビリティで構成する「沖縄自動運転コンソーシアム」は、沖縄県南部の南城(なんじょう)市で、公共バスへの適用を想定した自動運転バスの実証実験を開始した。

今回の実証実験の舞台になった南城市は、那覇空港から車で40分ほどの場所にある農業と漁業の町。交通量が少ないことに加え、同市が公共交通の在り方に課題を抱えていることが、実証実験の場所として選ばれた理由だという。沖縄自動運転コンソーシアムは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の1つである「自動走行システム」部門からバス自動運転実証実験を受託、今回の実証実験を実施した。


 第1弾の実施期間は2017年3月20日~4月2日の2週間。「あざまサンサンビーチ」近くの一般車両も通行する往復2.4kmの公道を使い、直進走行や駐車場での転回(Uターン)、バス停への停車、路肩に停められている車両の回避といった基本的な運転内容を検証した。最高速度は時速30kmに設定している。「公道を利用した公共バス向けの自動運転の実証実験は国内初」(SBドライブ 代表取締役社長兼CEOの佐治友基氏)という。


 2017年6月には沖縄県内の離島で、今回と同等の技術レベルの自動運転バスを一般利用者に使ってもらうモニター調査を実施する。さらに2017~2018年度にかけて、交通量が比較的多い公道環境で、より高度な技術実証を実施する計画だ。


●検証で重視したのは、バス特有の停め方


 第1弾となる今回の実証実験では、「走る(アクセル制御)」「曲がる(ステアリング制御)」「止まる(ブレーキ制御)」という運転動作の3項目のうち、アクセルとステアリングの制御を自動化し、ブレーキについてはドライバーが操作した。このため、SAE(米国自動車技術会)が定義する運転の自動化レベルでは「レベル2」に相当する。先進モビリティが自動運転技術の開発を、SBドライブが遠隔運行管理システムの構築を担当している。


 車両開発を担当した先進ドライブが、今回の実証実験で特に重要な項目として挙げたのは、バス停にぴたりと横付けして停車させる「正着制御」である。公共バスが一般的な乗用車と大きく異なる点は、車両の大きさもさることながら、バス停に定期的に停車することにある。体の不自由な人や高齢者の利用を考えると、バス停から離れることなく高い精度で停車し、スムーズに乗り降りしてもらうことが、自動運転バスの使い勝手を大きく左右するとの考えだ。


 自動運転の仕組みはこうだ。実験車両には、GPSで測位した約5cm間隔の軌跡データが走行ルートとしてあらかじめ設定してある。運転中には、刻々と変化するバスの位置情報を高精度GPS(Real Time Kinematic GPS)で測位し、あらかじめ設定してある走行ルートからずれた場合には、それを補正するようにステアリングを制御する。


 ここで、バス停の近くに車両が到着すると、ドライバーの方向指示器の操作をトリガーに「正着制御モード」に切り替わる。正着制御モードでのセンシングで主要な役割を担うのが、対象物の形状や距離を測るライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)である。


●路肩10cmまで寄せる正着制御モード


 実験車両には、Velodyne製の全方位ライダー「VLP16」が1つと、日本信号製の水平監視範囲60度のライダー「アンフィニソレイユ FX10」が3つ、車両前方に取り付けられている。2種類のライダーで二重に前方180度を監視する。検知可能な距離は最大50m程度となっている。


 車両が正着制御モードに切り替わると、これらのライダーで縁石までの距離を測りつつ、あらかじめ設定してあるおおまかな目安となる軌跡に沿いながら車両をバス停までゆっくりと寄せていく仕組みだ。


 報道機関向けの試乗会では、バス停横の路肩に対してわずか10cm前後の距離で停車できることを披露していた。一般ユーザーには違和感なく乗降車できる距離であるものの、車椅子の方や高齢者でもスムーズに乗降車できるよう、路肩と車両の間を4cm程度まで縮めることを目指すという。


 今回は、路肩に停められている車両の回避でも、カメラは使わずライダーのみを使った。駐車車両などの障害物をライダーが検出し、自動で車線を変更する。車線を変更する時、対向車が近づいてきたことをライダーが検知すると、対向車が通り過ぎるまで停止して待つ。


●「公共バスの自動運転に必要な技術材料はそろってきた」


 先進モビリティの代表取締役社長を務める青木啓二氏は「公共バスの自動運転に必要な技術材料はそろってきた。今後は、確実性や安定性、コストを実用レベルに上げていく」としている。


 現在取り組んでいる技術課題は大きく分けて2つあり、1つは「ブレーキ制御の自動化」、もう1つは「障害物の認識精度の向上」だ。


 まずブレーキ制御の自動化については、先進モビリティでブレーキ制御用アクチュエーターの開発を進めており、2017年夏頃には実験車両に搭載できる見通しだという。大型トラックで実用化されている電子制御ブレーキシステム(EBS)を転用する方法も検討したが、公道実証の許可を得るハードルが非常に高いとのことだった。


 もう一方の障害物の認識精度の向上については、カメラ画像を使ったディープラーニングを障害物認識に取り入れていく。現在、これに関連して単眼カメラを使った測距技術の開発に取り組んでいるという。この他、車両前方に搭載しているミリ波レーダーについても今後ブレーキ制御と組み合わせて衝突回避に利用する。また、後方の安全確認用ライダーも新たに車両制御に加える。


 この他、緊急時の対処も非常に重要な観点だ。報道機関向けの試乗で、自動運転で直進中のバスのステアリングが突如として左に回りだし、縁石に接近するという事態が発生した。運転手がすぐにステアリングを持ち、進行方向を修正したため事なきを得た。「今回の実験コースで20回以上も繰り返し自動走行したが、このような事案は初めて」(先進ドライブの説明者)だという。


 この自動運転バスはブレーキ操作をドライバーが担当しているため、現時点ではレベル2の自動運転だ。今後、ブレーキ制御を自動化するなど自動化レベルを引き上げていき、交通量の多いエリアでも走行させるのであれば、万が一の事態への対応を徹底していくことも求められるだろう。

記事・MONOistより引用

マジっすか〜凄いですね〜那覇市内でも有るといいですなっアハハハ。

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